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「2040年の社会ニーズに対応する有人宇宙輸送サービス構想と必要技術の検討」に係る公募のお知らせ

1. SLAの事業と依頼の背景

一般社団法人宇宙旅客輸送推進協議会(以下、SLA:Space Liner Associationと略記)は、将来の巨大な宇宙輸送市場の形成とそれを導く民間主導の輸送体系の実現に向けた環境づくりを目指しています。

2040年代の一般人の宇宙利用の大幅拡大を想定し、そうした社会像の下では、現在と大きく異なる交通体系の中で宇宙空間への高頻度・大規模かつ民間事業として実行可能で,乗客への安全が担保された宇宙輸送体系の構築とインフラの整備が想定されます。

SLAではこのような宇宙輸送インフラによるサービス像及び、そこで活用される宇宙輸送システムの姿を構想すると同時に,ここから導かれる要求を具体化し、実現に必要となる主要なアーキテクチャ,および技術課題と解決の方法,その難度やリスクなどを認識し整理した上で、これらの技術課題解決に向けた中長期研究計画を企画しておくことが上記の環境づくりに資すると考えています.本公募は、これらの構想や企画に資する検討作業を委託するために行うものです。

2. 応募要件

2.1 応募する企業や団体などの要件

日本の法令に基づいて設立された企業(団体等を含む)や大学等、又は、事業の実施を予定している個人であり、2.2項に示す応募対象作業を実施できる者とします。複数の企業(団体等を含む)、大学等、又は個人などの共同実施も可能とします。応募事業者に必要とされる要件の確認は、SLA宛てに提示される2.3項の実績及び体制検討書により行います。

2.2 応募対象作業

(1)作業にあたってのSLAからのインプット

本検討作業に対しては、別途SLAがこれまでの輸送コミュニティでの議論や目標設定の議論に基づいて取りまとめている「2040年代の宇宙利用の姿、輸送市場規模、輸送対象、頻度等、サービス像を検討する上での基本的な社会像」を受託者へ作業インプットとして提示します。これに基づいて以下(2)に述べる検討を行うこととします。作業にあたっては、SLA及びSLAと協働し検討を進めている事業者との連携が必要になりますが、下記4.項記載の秘密保持に関する記載と共に作業中に共有される情報については契約で保全されます。

(2)検討作業

a)上記インプットに基づき、当該宇宙輸送インフラおよびこれを用いて行う輸送サービス像、そこで活用される宇宙輸送システムの姿などを構想し、輸送体系への要請や要求を具体化および定量化すること。具体化の対象は大量高頻度の宇宙旅客輸送が事業として成立するための輸送サービスや運航の形態、安全の担保および輸送システムの形式などをはじめとして広い視点での検討を期待します。

b) a)で想定したサービス形態や輸送システム形態の実現のために必要とされる主要アーキテクチャとその選択肢、それを実現させるための技術課題の抽出および実行にあたっての難度やリスクを現時点の技術レベルと比較して整理することを求めます。選定するアーキテクチャやその選択肢の選び方および件数などは受託者の裁量で行うこととします.

c) a)で構想した輸送事業が2040年にサービスインすることを条件とし,b)で検討した主要技術課題や解決方法に対し、事業立上げ時点(例えば2030年などと現在からサービスインまでの中間の時点を設定)での判断に使えるレベルまで技術熟成度を向上させるための概略の研究開発計画の立案。これは,綿密な費用見積などを求めるものではありませんが,大まかな研究開発や実証などの課題解決ステップと,それらの難易度やリスクおよび規模感などを明示し可視化することを求めます.

(3)検討期間

9月末予定の委託契約締結から本年度末までの検討期間とします.11月前半を目途に中間報告を行うこととし,検討期間中のタイムラインは採択された事業者との委託契約調整の中で決定するものとします。

2.3 実績及び実施体制の確認

受託者は2.1項作業を実施できることを示す内容を含めた実績及び体制検討書を提出していただきます。検討書の体裁、枚数は(1)~(3)各項目一葉以内程度とします。

(1) 宇宙輸送機の研究開発実績
(2) 宇宙輸送関連技術の調査,研究開発計画の立案および実施などの実績
(3) 作業実施体制

3. 提出方法・期限

応募者は実績及び体制検討書を、PDF形式にて下記アドレスの宇宙旅客推進協議会事務局あてに、9月30日までに電子メールにて送付のこと。

事務局メールアドレス;

4. 秘密保持等

4.1 応募情報

応募情報は非公開とします。

4.2 作業成果

2.2項の検討作業の成果は今後の宇宙旅客輸送推進のための活動に活用させていただくことを想定しており、原則SLAに帰属するものとし、SLAのクレジットで公開させていただきます。公開の範囲や開示制限等を望む場合は、6項の採択後の協議の中で調整を行います。

5. 委託先選定(採択)について

SLAは2.3項に述べた実施要件の観点で評価し,委託先を選定します。なお、委託先は複数の採択とすることを予定しています。

6. 採択後の流れ

6.1 選定結果の通知

応募者へはSLAより10月11日までに、電子メール等により選定結果を通知します。

6.2 契約手続き

採択された事業者とは、SLAと事業者間での委託契約を締結します。4項に示した開示制限等が必要な場合の扱い、技術情報の取り扱い、秘密保持等の条件は、必要に応じて、委託契約調整の中で協議させていただきます。

7. その他

本公募に関する質問などはSLA事務局まで電子メールにてお問い合わせ下さい。

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